Fort Minorフォート・マイナー

Profile

「キーボードやシーケンサーに多く頼らず、楽曲が優れ、音楽の才能が感じられるオーガニックなヒップ・ホップ・アルバムを誰かが作るのをずっと待ちわびていた。そして分かったんだ。自分でできるじゃないか。自分で作るべきだってね。~マイク・シノダ」

全世界でいままでに3、500万枚のアルバムを売り上げたロック・バンドのMC,マイク・シノダがヒップ・ホップへの情熱を注ぎ込んだプロジェクト、それがフォート・マイナーだ。アルバム『ザ・ライジング・タイド』彼らのレーベル、マシーン・ショップ・レコーディングスからリリースされる。マイク・シノダがすべての楽曲を書き、すべての楽器をこなし、プロデュース、ミックスまですべてを手がけている。そして、『コリジョン・コース』でのコラヴォレーションも記憶に新しいジェイ・Zがエグゼクティブ・プロデューサーとなっている。

フォート・マイナーの名前の由来について、マイクは「大きくて強力で何かと小さくてわずかな何か(音楽的に影のあるもの)の間の力を反映させたもの」という。アルバム・タイトルも言葉の遊びなのだとか。彼がこのアルバムを作る際に、重要視したのは”オーガニック”にするということだった。生の楽器によって自分が作ったサンプルやブレイクビートを利用し、シーケンスされたキーボード・サウンドを避けるようにしたのだ。1stシングル「ビリーヴ・ミー」は鳴り響くブレイクビートにラテン・パーカッションやチェロのベース・ラインを注入した、マイクのクラシック・ロックへの愛が感じられる1曲だ。ブラック・ソートをフィーチャーした「ライト・ナウ」はロバート・アルトマンの因習を打破した映画「ショート・カッツ」にインスパイアされた1曲である。アルバムのオープニングを飾るスタイルズ・オブ・ビヨンドをフィーチャーした「リメンバー・ザ・ネイム」、マイクの妻が聴くたびに涙したという「ホエア・ドゥ・ユー・ゴー」ではホリー・ブルックをフィーチャーするなど、新たな人材も積極的に登用している。ちなみに、スタイルズ・オブ・ビヨンド、ホリー・ブルックともに、マシーン・ショップ・レコーディングスから、アルバムを近々にリリースする予定だ。

しかしなんと言ってもこのアルバムで最もユニークなのは、第二次大戦時に、アメリカによる日本市民の強制収容を回想する「ケンジ」だろう。この楽曲では1940年代に強制収容されたマイクの父と叔母の声がフィーチャーされている。マイクは「間違ったことをしたためでなく、ただ日本人というだけで、収容されたということを父からきいたことを、昨年LAのJAPANSE AMRICAN NATIONAL MUSEUMを訪れて思い出し、この楽曲を書くことを決意した」という。これはリンキン・パークでは表現できなかった楽曲である。

マイクはビジュアル・アートに進むという期待にもかかわらず、パサデナのアート・カレッジ・オブ・オブ・デザイン時代にミュージシャンになることを決意。すでにピアノノレッスンは10年のピアノ・レッスンを受けていた。それからの活躍はご存知のとおりだ。

マイクは慈善活動にも非常に熱心で、過去5年の間に、母校で奨学金制度をスタート。United Way, AIDS Project L.A., Densho, the Japanese American National Museum, Arthritis Foundation,the Make-A-Wish Foundationなどの団体にも深くかかわっている。昨年は東南アジアでの津波の被災者の救済のために、MUSIC FOR RELIEFという組織を立ち上げ、リンキン・パークとして、ロスでコンサートを行い200万ドルを超える金額を集めた。

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